【どうしようもないけれど。/サンプル】
【magnet】のオマケ本、小説オンリーです。
その後の出来上がった2人のラブラブデート?話。基本エロだけな内容だったり………(汗)


どうしようもないけれど。 サンプル
※サンプルですので一部分を抜粋して掲載しています。
多少改行などで違う部分はありますが、内容は同じです。




「買い物に付き合って欲しい」と言われたので、近所のスーパーの『お一人様○個まで』な
食材を買い込む為の荷物持ち要員かと思っていたのだが、
どうやら士郎なりにデートへ行こうとのお誘いだったらしい。


高校卒業までに色々とすれ違いもあったが何とか2人は想いを通わせる事が出来た。
『冬木の虎』によって衛宮の家で共に暮らすようになり、この春から立場を
高校教師と大学生に変化させつつ、温かな愛を育んでいる。

そんなアーチャーの愛すべき年下の恋人・衛宮士郎は、最初の出会いが対立から
始まってしまった為になかなか素直になれないでいる。
しかもアーチャーもアーチャーでそれに皮肉を込めた言葉で応酬してしまうので、
カッとなるのか余計に反発を助長させてしまう。
人間、根付いてしまった性格というものは、修正するのがなかなかに難しい。
だがアーチャーにとってそんな士郎の態度は想定内であるし、むしろその方が可愛らしいと
好意的に受け止めているので、今のところ何の問題もない。

そんなワケで今回も遠回しなお誘いを理解していたクセに「車で行こう」とは言い出さなかった己に、
アーチャーは今激しく後悔していた。
隣町の新都ではなく、もう少し遠いデパートや大手家電量販店のある街へ行こうという事になり、
現在そこへ向かう為電車に乗っているのだが、土曜の昼前にも関わらず車内は人で溢れており、
通勤ラッュさながらの超満員っぷりだ。何とか扉脇の角スペースを確保して、
士郎と2人ウンザリした表情で顔を見合わせる。
「何かの催しが沿線ででもあるのか?」
「えっと……他の線で事故があって電車が止まってるらしい。そのせいでこっちに
 人が流れてきたんじゃないかな」
携帯電話で運休情報を調べ、ほらとディスプレイをこちらに向けて言う士郎に、
なるほどなと不機嫌な顔のまま頷く。
「こんな事なら車を出してやるべきだった……すまんな、士郎」
あまりの人混みの鬱陶しさに意地も吹っ飛んで素直に謝罪すると、
士郎が驚いた顔を浮かべてプルプルと首を振る。






To be continued...



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